ハルが昼寝中、ねぼけて
「くちゅくちゅ」
と、おっぱい飲んでいる時と同じように口をうごかしていたので笑ってしまいました。
手足もピコピコとよく動きます。
こうやって身体をたくさん動かして練習しているんだろうな、と思います。
今日もたくさん泣いて、たくさんミルクを飲んで、たくさん寝ました。
それにしても、ぷっくりしてきたなあ。
今日はハルとふたり、はじめての外出。
行き先は日本国大使館。
出生届を提出にいきます。
バンコクの交通事情はとても悪いので、心配が尽きません。
キャリアー越しにハルを抱く手に常に力がこめられます。
一方、当の本人はというと、ずーっと寝てました。
家の中では考えられないくらいに静かに、微動だにしません。なぜ。。
さらに午後
「これなら、買い物も行けるかもしれない!」
と思い、近場にあるフジ・スーパーへ連れて行くことにしました。
と、運転手が行き先を間違え、とんでもない方向にぐんぐん進むハメに。
行き先を告げた際、彼としてはよくわからなかったのに
とりあえず
「オッケー」
と言ってしまった手前、どうすることもできずに、でもとりあえず進んでみたのでしょう。
おまけに途中、思わぬ渋滞にひっかかり、とても時間がかかってしまいました。
ハルが泣きやしないかとヒヤヒヤしながら、なんとか目的地に到着。
買い物している間も「自分が転ばないだろうか」とか「ハルは息苦しくないだろうか」等々、必要のない心配までもが頭の中をぐるぐるまわり、落ち着いてお買い物ができたとはちょっといえませんでした。
て、当の本人は、やっぱりその間もずーっと静かに寝ていました。
家にもうすぐ着こうかというところで、ようやくぐずりはじめましたが、午前・午後共に、ずっと寝ていました。
一方の私はといえば、神経すりへってぐったり。
家に帰ってきてこんなにも安心したのは、人生でほとんどはじめてのことです。
時々「フーン、フーン」と鼻が詰まったような鼻息をすることがあるので
綿棒片手に鼻の穴を覗いてみたら、鼻くそがポロポロあって、奥の方には鼻水みたいなのがビロリとついていました。
入り口のところの鼻くそをクルクルと巻き取っていた時に気がつきました。
「…鼻毛が、ない。」
私も勢い余って、鼻毛を切りすぎてしまったことが過去にありましたが
違和感たっぷりだったし、くしゃみがとまらなかったのを覚えています。
歯もないし、鼻毛もないとくれば、ちょっとやりずらいだろうなあ、と思います。
でも、きっと34年後はボウボウなんだだろうな。
ハルにそっくりなパパを見て、しみじみ思いました。
産後はじめて、ハルとふたりきりで過ごす一日でした。
おっぱいをあげたり、おしめ換えたり、あやしたり。
それが続く一日。
ハルのペースで同じことを繰り返すわけですが、この「同じことを繰り返す」作業というのが、一見簡単に見えて、オトナにとって一番の難関かもしれない、と思います。
私も変化を求める気質なので、なおさら心配でした。
でも、この一日同じ場所で一緒にいるという状態。
実は変化は工夫して作れるものかもしれない、と思いました。
たとえば小さなことですが、ペースを見失ってあわあわしそうな時、バルコニーの椅子に座りながらおっぱいあげるとか、ハルに向かって、赤ちゃん言葉ではなくて、まじめに自分の人生について語ってみたりとか
そのうち、自分で作らなくても、ハル自身が大きな変化を与えてくれるのでしょう。
とても楽しみです。
それにしても、ゲップしてもダラダラとおっぱいを吐いてしまうのはどうしてでしょう。
昼過ぎから夜にかけてベッドに寝せると泣いて、ちっとも昼寝モードになりません。
おっぱいと抱っこの繰り返しでさすがに手首が痛くなってきたので、授乳用クッションを腰にあててみました。
今日はひとつ発見がありました。
今までは視点を固定する「固視」のみだったのですが、動くものを追いかけながら見る「追視」の兆候がありました。機能はどんどんアップしているんだなあ、と実感します。
さて。
1ヶ月の間、パパとママのおかあさんたちが日本から交代でお世話に来てくれていたのですが、それも今日で終了。
おかあさんを車に送ってから、パパの帰宅までの間、ハルを抱きながらなんともいえない気持ちになりました。
その感情は「さみしい」というのも違うし「不安」というのも的確ではありません。
よしもとばなな氏が本人の出産・育児について語った著書の中で
「今日は出産後、ずっと一緒にいた夫がはじめて別の場所に帰ってしまった。その時のさみしさみたいなものは、しいて言えばあきらめに近い感じ」
というようなことが書いてあって、ずっとよくわからないでいたのですが、そのことがなんとなくわかった気がした今日でした。
「がっかりする」という意味の「あきらめ」とはまったく違うのですが、私がそれを言葉を使ってあらわすとしたら「心の中は妙な不安でフワフワした状態で、低いテンションで開き直るような感覚」
といったところでしょうか。うーん。依然わかりずらいですね。
具体的に言えば、知らない国の知らない町を、はじめて一人で旅した時の、高揚しつつもソワソワ切ないような感じに似ている気がします。
妊娠、出産、育児は、それまで体感したことのない感情を知る機会が本当に多くて、自分のことなのに発見だらけです。
と、まあそんなわけですが、意気込んでも転ぶだけなので、できるだけ楽しく
ハルとの貴重な時間を愛したいと思っています。